三川の家
岐阜県高山市
2020.09 / 住宅 / 新築
斜面の中腹、のどかな田園風景の中に建つ住宅です。この場所は山々の稜線をなぞるように吹き抜ける風が印象的で、それうまく設計に取り込みたいと思いました。
お施主さまからは、家族の気配を感じたい、庭を感じながら生活をしたいという要望がありました。室内は大きなワンルームのような構成となっており、端から端までを見通すことができます。気配は感じるけれど何をしているのかまでは分からない、ほどよい距離感となっています。また建物の平面形状は、限られた敷地面積を有効活用しながら庭に向かって開くために、敷地に合わせた「への字」形となっています。
山々の傾斜に合わせて屋根勾配が導かれ、その角度はそのまま室内天井に表れます。南側から入る風は天井に沿って室内を通り抜け、2階の窓から抜けていきます。
通り抜けるということは、庭とのつながりや家族の気配を遮るものがないということです。つまりそれは、この住宅の中にあるたくさんの関係性の風通しが良さを表しています。